せんせいフォリオ 子どもが安心して学べる学級づくりのために

背景

 平成18年12月におよそ60年ぶりに教育基本法が改正されました。戦後初めての改正です。これを受け、平成23年度からは、新しい学習指導要領に基づく教育も開始されました。基本法の教育の目標として「生きる力」「幅広い知識と教養」「自主自律の精神」「正義と責任」「社会形成への参画」「生命尊重」「伝統文化の尊重」など多くの目標が掲げられています。更には、教育に関する基本として教育担当者である教師が「研究と修養に励みその職責の遂行に努めること」と規定もされました。
 子どもたちの現状をふまえ、「生きる力」を育むために「知識」「技能」「思考力」「判断力」「表現力」などの育成が課題であるとされています。学習指導要領では「ゆとり」でも「詰め込み」でもない教育を行うこととされていますが、教育の最前線で指導を行う教師が効率的にこれらの課題に従い、その職責を果たすことが簡単では無いことは容易に想像できることです。
  グローバル社会において日本も他国同様世界経済という荒波を進まざるを得ません。このような現実は、既に国民の生活に格差をつくり、日本古来の国民性や文化伝統の良さをも少しずつ崩しながら進んでいるように見えます。
 小学校においても、その影響は少なからずあるようです。地域の協力体制が整い始めた一方で、心許ない児童・生徒や保護者たちの存在も露呈しています。学級づくりの難しさが困難な地域が存在しているものと思われます。

 誰もが安心して学び、生活できる教室づくりの困難性の要因として次のようなものが一例として考えられます。

  • 学級を構成する児童に起因する場合。
  • 学級担任の指導力および学年や学校の組織力に起因する場合。
  • 保護者や地域社会の方々の生活実態や価値観が、学校の教育方針と齟齬を起こし、連携協力体制が不足することに起因する場合。
 教育基本法の目標に掲げるような児童の育成には、まず日々指導を行う児童たちの現状を的確に把握することからはじめなければなりません。
 「生きる力」に必要な能力。言い換えれば、児童における「知・徳・体」の状態を集団のレベルや個々のレベルで担当者が把握することが重要であるとえます。

   本研究は、学級づくりの最前線にいる学級担任を中心に、特別支援教育担当者など多様な立場で教育に携わる人々が恊働し、学級担任個々の良さや味を生かした学級作りのあり方を支援していくものです。

このwebサイトの機能

 本サイトには二つの機能が包含されています。
  1. EduNavi
      学級の児童に対し、「人間力」という観点から導き出した「児童につけたい力」という5つの観点から派生した20項目の視点について4段階感覚尺度により児童評価を行います。
     その結果、担当者が自分で抱えていた個々の児童に対する漠然とした思いがチャートとして表示され、可視化されます。機能としては、似たような状況を示す児童を提示したり、全体及び性別児童や任意の児童などのチャートを比べたり、児童の経年変化などを見ることができます。
     通常の学級児童だけでなく、特別支援学級や特別支援教室や少人数に絞っての利用も可能であり、可視化された結果から、担当者としての「気づき」を援助します。
  2. せんせいfolio
     EduNaviから得られたデータによる改善策を探したり学級づくりのヒントを探したりする場合に利用できる書き込み型のデータベースです。
     誰もが安心できる教室づくりを目指すにあたり、日常的に経験する「こまったな」「よかったね」「役立つ規則」「とっさの一言」などを学校の一日の時間や、場所、似通った出来事等で検索できる機能があります。
     日常の生活の中で「よかったこと」「気づいたこと」「ルール」「とっさの一言」などを書き込むことによりさらに充実した協働型データベースへと発展させることができるのでご協力下さるようお願い申し上げます。

利用について

 本サイトに、「こまったな」「よかったね」など、問題や、解決の知恵を記事として書き込み、編集するためにはIDとパスワードの登録をお願いします。記事の閲覧は自由にできます。本サイトは2011年9月から公開を始めていますが、現在も改善のための構築作業を継続中です。本サイトの構築、管理はページ下段に示している東京学芸大学理科教育学分野の松浦研究室が担当しています。ご質問などは下部に明記した連絡先にお願いします。
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「誰もが安心して暮らせる学級づくり研究会」制作